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潔子side

遥音は本当によく食べる
遺伝なのかどうなのかは分からないけど、遥音のお父さんがよく食べる人だった
因みに遥音のお母さんは普通だ

学校でたまに一緒にお昼を食べることがあるけど、遥音のお弁当箱はクラスの女子達と比べるとかなり大きいサイズだ
それだけならまだしも、食べ終わったあとに食後のデザートと言ってお菓子を食べたり
部活後に澤村から肉まんを奢ってもらったり
とにかく食べている

あの細い身体のどこにあれだけの量が入るのか不思議でしかたないけど、遥音からするとあれが普通らしいから逆になんで小さいお弁当で足りるのか不思議だと前に言われた
私はいたって普通のサイズのお弁当箱なのに逆に何故そんな事を言われるのか不思議だ
クラスメイトと食べたりしてる時にお弁当箱を見ると私よりも1回り程小さめな可愛らしいお弁当箱だった
だから私の弁当の量は普通だ

そして何よりも困ったことに遥音の母親であるイリーナさん(いつもは愛称のイーラさんと呼んでいる)は普通の食事量なのに作る量が半端なく多い

旦那さんと遥音が沢山食べるから癖がついてしまったのだろう

そして、お菓子作りが好きなイーラさんは大量のお菓子を作って遥音にわが家まで届けさせる
まぁ、文句無しに美味しいのだが如何せん量が多すぎてとてもじゃないが家族だけでは食べきらないのだ

だからお菓子をもらった時は学校に持って行ってクラスの友達と分け合っている
みんな美味しいって言って沢山食べてくれるから助かる

でも遥音が家にお菓子を届けに来るとイーラさんが帰ってきたんだなってちょっと安心する
イーラさんは詩人作家と写真家を兼業してるから自宅にはあまり長くはいない
だから遥音は普段は広い一軒家で1人で生活してる
寂しいとか言わないけど、言わないだけだってことは分かる
だって家にイーラさんがいる時はいつもより嬉しそうだから

…話が逸れたけど遥音は凄い食べるってこと
そして何より関心するところは同じ料理が大量に出てきても飽きること無く食べるところだと思う
私だったら絶対に無理
まぁ、ほとんどの人達がそうだとは思うけど

そして現在、私の目の前には遥音が座っている
そして遥音の目の前にはバケツ大の丼に溢れんばかりのラーメンとその具材たち
私達はラーメン屋に来ていている
なんで2人でラーメンなのかと言うとどうやら家の広告にラーメン屋のチラシが入っていたみたいでそのなかに書いてあった大食いにチャレンジしたいと遥音が言ったからだ
当たり前だけどチャレンジするのは遥音だけ
私はここのラーメン屋さんのおすすめの塩ラーメンを注文した

「わぁ!きよちゃんの塩ラーメン美味しそうだねー!」
「…うん、私のラーメンの感想は良いから早く自分のやつを食べなさい」
「はーい、いただきまーす!!」

行儀良く手を合わせてからラーメンを食べ始める遥音
どうやら特盛ラーメンはとんこつ味らしい
まぁ麺に到達するまでが長そうだけれど
制限時間は50分でスープは飲んでも飲まなくてもどちらでもいいらしい
このメニューを食べきった人は今までいないらしくもし完食した場合は無料+次回のラーメン無料券が付いてくるらしい

ズルズルと1人前の塩ラーメンを啜りながら遥音の食べる様子を眺める
遥音は大食いだけど食べ方が綺麗だから見ていて不快感が無い
昔テレビで見た大食い選手権の人達は口に詰め込む感じであまり綺麗とは言えない食べ方だった

その点遥音はホントに美味しそうに食べるからきっと作った人も嬉しいんじゃないかなって思う
実際私も去年のバレンタインでチョコを美味しそうに食べる遥音を見て嬉しかったし
作りがいのある人だと思う


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