「じゃあ次の行から読んでいけ」
「え!?、あ、はい!!」
うわー…どうしよう授業全然聞いてなかったからどこのページなのか分かんない…
どうしようかとおろおろしていたら
「305ページの11行目からだよ」
「!?」
声のする方を見るとさっきまでグラウンドを眺めていた天野さんだった
「(あ、ありがとう)…この話は先ほど述べたとおり___________」
彼女にお礼を言って音読し始める
「……よし、そこまで もう授業中ボケっとするなよ」
「は、はい」
やっと読み終えホッと息をつく
天野さんのおかげで助かった
授業、ちゃんと聞いていたんだ
「今日の授業はここまで!ちゃんと復習しとけよー」
「「「「ありがとうございました」」」」
先生が教室から出て行った後天野さんに声をかけた
「あの、天野さん…」
「…ん?どうかした?」
こっちをむいた彼女に思わずどきりとしてしまった
いつもは横顔ばかり見ていたからだと思う…
「さっきはありがとう」
「ああ、あれ…気にしなくていいよーあの先生怒ると怖いもんね」
「う、うん」
「まあ、そういうことってよくあるしお隣さんなんだから困ったことがあったらお互い様だよ」
それじゃあ私ご飯だから、と言って天野さんは席を立った
彼女が通った後ほんのりシャンプーの甘い香りがした
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