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菅原side


日向と影山が無事に入部する事ができ漸く一段落ついた頃

影山がふと一人で淡々と仕事をこなしている清水を見ながら俺に聞いてきた

「菅原さん、あの」
「んー?どうかしたか?」

影山の方に顔を向け次の言葉を促す

「烏野のマネージャーって1人だけなんすか?」
「あぁ、そのことか…いや、いる事には居るんだけどな」
「え!?マネージャーって1人だけじゃなかったんですか?!」

傍で聞いていたらしい日向も話に加わってきた

「烏野のマネージャーは2人だよ」
「あれ…?でも俺まだ1回も見てないです」

日向が首をかしげる
それもそのはずだ
何せもう一人のマネージャーはまだ1年が入部してきてから部活に1度も参加していない

「うーん、もうそろそろ来れるとは思うんだけどなぁ」
「?なにかあったんですか?」

言葉を濁す俺を見て影山も同じ様に首をかしげた
その様子にクスリと笑って作業をしている清水に声を掛ける

「清水ー!!潔香ってそろそろ部活に出てこれそう?」

潔香、という言葉に反応してスコア表から顔を上げてこっちにやって来た

「…明後日くらいには来れるはず、足の調子も殆ど大丈夫だし」
「そっか、良かった」
「…足、どうかしてたんですか?その人」
「春休みの練習中に体育館で転けたんだ。それで足捻挫しちゃってさ」
「捻挫…」
「そ、だから完治するまでは部活に参加せずに家で大人しくしておいてって大地が言ったんだ」
「ほぇー…そうだったのか」

2人は納得してくれたみたいでペコリと頭を下げて練習に戻って行った

「…本人は行きたがってはいるんだけど、念のため明日までは休ませるから」
「うん、わかった。大地に伝えとく」

隣にいた清水がスコア表に目を向けたまま言った

「俺は3年だから殆ど見かけないからなぁ…元気?」
「いつも通り」
「そっか、清水はいいなよなぁ…毎日顔を合わせられるんだから」
「姉妹なんだから当たり前でしょ」

俺の言葉に反応して顔を上げた
その表情は若干の不機嫌さを表していた


そう、もう一人のマネージャーは清水潔香
清水の1つ年下の妹だ

清水はこの1人の妹を酷く溺愛している
まぁ、それは俺にも言えることなんだけど…
しっかりしてそうに見えて抜けているから目が離せないんだ、潔香という女の子は

そんな彼女の事を思い浮かべ、明後日に会えるということを知って早くその時が来ればいいのにと思わずにはいられなかった



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