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「#幼馴染」のBL小説を読む
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オリキャラしか出ません。
会話文多め


「潔香ってさー天然だよね」
「…どこが?全然天然なんかじゃないけど」
「いやーホントに天然な人は自分で天然だなんて思ってないからね」

思って無いんじゃなくて天然じゃないんだってば

昼休み、クラスメイトと昼食をとりながら雑談中
そりゃあ少しドンくさいところはあるけど決して天然ではない

天然ってあれでしょ?
恋愛とかにすっごく鈍くて付き合ってって言われてどこに?とか言ったりする子とかのことでしょ?
私、そこまで鈍くないし
すっごいドジでもない
何も無いところでつまづくことは…まぁ良くあるけどでもそれは反応が鈍いだけで天然じゃない

そもそも、天然ってなに?
私そんなにボケーッとしてないし
隙なんてつくってない
すっごいマイペースなイメージがあるし

「天然って佐々木さんみたいな人のことでしょ」

食後のデザートとして持ってきたポッキーを1本取り出し咀嚼する

クラスメイトの佐々木さんは男子によく「えぇー、私わかんなぁい!教えて欲しいなぁ」とかなんとか言って男子と仲良くしているカワイイ系の女子だ
(悪意はない)

ああいうのが天然でしょ、普通
いつもニコニコしててぼーっとしてるような子の事を言うんだと思う

私の言葉にクラスメイトは顔を顰めた

「いや、あれは偽天然だからね」
「にせ…?」

天然に偽とかあるの?

「あざとすぎるでしょ。あれは」
「…そう?」
「私はあんまり仲良くなりたくないタイプ」
「ふうん…」

チラリと佐々木さんの方を見るとマシュマロを仲のいいグループと食べている
可愛いもの食べてるなぁ

「アタシねーこの前まろ眉のかわいいワンちゃん見たの!そしたらとっさにマシュマロって言っちゃったのー!」
「やだー恵ってばほんと天然!かわいいー」
「えぇ!そんなことないよー、すっごい恥ずかしかったんだからね」
「ほんと天然だよねぇ」

佐々木さんって下の名前恵って言うんだ
初めて知ったわ
会話の内容凄いな、声大きいし

「ほら、あれはきっと天然だよ、私はまろ眉をマシュマロなんて言わないもん絶対」
「いや、天然って言われたらホントに天然の人はアンタみたいに怒るからね」
「だって天然じゃないし」
「ていうか、普通あんな大声で言う?男子にも聞こえてるよ、あれは。まぁ狙ってんだろうけど。かわいいって言われるのわかってて態とそう言ってんのよ。」
「そういうもの?」
「そういうもんなの、かわいいって言ってる私達かわいーみたいな」
「…へぇ」

よく分からないわ、まぁいいけど

「じゃあ私が思う潔香の天然なところを挙げていこうか」
「別にいいよ、そんなの」
「じゃーまず1つ目ね、この前電卓と間違えてエアコンのリモコン持ってきてたでしょ」
「……間違えただけじゃん、朝早から寝ぼけてただけだし」
「2つ目は電話した時にさ携帯にかけてるのにさ、待って携帯見つからない!とか言ってたじゃん?あれホントにツボったわ」
「う、うるさいな」
「3つ目ーこれも携帯の話だけど、この前電車で少し遠出したじゃん?その時電車の中で電話なった時さ『ごめん、今電話の中だから電車切るよ』って言ってたよね、あとその後あ、逆だったって言って電話切ってたのもちゃんと聞いてたからね」
「違う、偶々!言い間違えただけだし!皆絶対あるから!そういうエピソード!」
「いや、無いから」
「絶対ある!」
「あーはいはい、あるかもね」
「なにその適当な返し」

私はこの日から絶対このクラスメイトの前でへまをしないように気をつけようと心に誓った


(ねぇ、縁下…私って天然じゃないよね?)
(ん?どうしたんだよ急に)
(今日なんかそういう話になったから)
(いや、まぁ、ね)
(ちょっとドンくさいところあるけど天然では無いよね?)
((必死だな)……えっとちょっと天然、かな)
(………)
((うわ…すっごい不服そうな顔))

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