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「#幼馴染」のBL小説を読む
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幼なじみの蛍ちゃんと結婚した
『結婚』この言葉を聞くだけでなんだか胸の奥がくすぐったくなる

まだまだ蛍ちゃんと夫婦になって日が浅くて全く実感がわかない
だけど、蛍ちゃんと二人で住んでるこの家で蛍ちゃんの帰りを待ちながら家のことをするのは凄く幸せ
少しでも喜んでもらえるようなご飯を作るんだ

蛍ちゃんはいつもおいしいって言わない
けど、私には分かるんだよ
美味しい時は少しだけ口元が上がるの
それを見て私が笑っちゃうから天の邪鬼な蛍ちゃんはすぐに元通りに戻っちゃうんだ

でも、一番好きな瞬間は蛍ちゃんが仕事から帰ってくる時
帰ってきておかえりって言えることが凄く幸せ
今日もお疲れ様って意味を込めて言うんだ

今日の夕飯を作りながら時計を見るとそろそろ蛍ちゃんが帰ってくる頃になっていた

コンロの火を消した時タイミングを見計らったかのようにインターホンが鳴った


「はーい!今開けまーす」


パタパタと小走りで玄関の鍵を開けるとそこには待ち焦がれていた人の姿があった


「蛍ちゃん、おかえりなさい!」
「…ただいま」
「今日のご飯は肉じゃがだよ!この前蛍ちゃんのお母さんに教えてもらったから作ってみたの」
「へぇ…調味料この前みたいに間違えてないよね?」
「今回は大丈夫だよ!ちゃんと味見したもん」
「だといいけどね」
「この前はたまたま!いつもはそんな失敗してないでしょ?!」
「……そういうことにしといてあげる」

リビングのドアを開けて部屋に入ると先ほど出来たばかりの肉じゃがの香りが漂っていて鼻孔をくすぐる

私だって花嫁修行をしてたんだもん
そんなに酷い料理はまだ作ってない
…前回は砂糖と塩を間違えるというなんともベタなことをしてしまって蛍ちゃんにさんざんからかわれた

でも今回は本当に大丈夫!
肉じゃがをお皿に盛り付けながら考える蛍ちゃんに今日こそ美味しいって言ってもらえるように、なんて

言わなくても口元が上がるのを見れたら私はそれで十分だけどね


「ふふ、はいどうぞ召し上がれ」
「いただきます」


さぁ、蛍ちゃんお味はいかがですか?