×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

5







昼休み孝支先輩から中庭で翔陽のレシーブ練習をすると聞いてお弁当を持って中庭へ向かう







今日は飲み物を持って来るの忘れちゃったから近くの自販機でジュースを買おうと歩いているとそこには先客がいた





私は自販機の前まで小走りで行き肩を叩いて人差し指を突き出す






「やっほー飛雄!」






飛雄はそのまま叩かれた方に顔を向けて私の人差し指に柔らかい感触がした







「……なんすか、天野さん」







「あは、ほっぺ柔らかいねー遥音でいいよ



私もそこの自販機でジュースを買いに来たんだよ」






そう言って飛雄の頬から手を離し自販機を指さした







「…2年の教室からこの自販機真逆じゃないっすか」







「まぁ、そうなんだけど…ほら」








私の指が中庭に移動し、飛雄もそのまま顔を動かした







そこには孝支先輩のメールの通りレシーブ練習をする2人の姿






この距離だと2人の会話も聞こえる







「…………ふーん…じゃあ___…



日向はさ影山を倒したくてバレーやるの?」






「えっ!?

??えーっと…影山を…倒せるくらい強くなりたいんです


そうすればきっと色んな強い相手とも互角に戦えるし


試合で簡単に負けたりしない


俺、もう負けたくないです」






「……だって飛雄」






私がそう言うと飛雄は何かを考える様にして黙っていた






「俺、これで失礼します」







「あ、まって!」







私の言葉に飛雄は振り返った






「っわ!」







「それ、あげる!!土曜日まで頑張れよ!」







飛雄の手の中にあるのは手作りのシフォンケーキ







明日のお昼の食後のデザートにとお母さんが昨日作ってくれた物







「…あざっす、遥音さん」







「!…うん、またね」






飛雄がいなくなったのを見送ってから私は孝支先輩のいる所へ歩いて行った





prev next



list page select
bookmark (list)
text(91/24) chapter(8/5)