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「#幼馴染」のBL小説を読む
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- ナノ -

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待ち合わせ場所まで走って行くとそこにはもう孝支先輩が待っていた







まだ薄暗い中に数少ない街灯に照らされているその姿を見てきゅんとした







私の足音が聞こえてきたため顔を上げた孝支先輩は私を見つけるとニッと笑みを浮かべた








「おはよ!!」








「孝支先輩、おはよーございます!!」







私もつられて笑顔になる







「遥音、走ってきた??」







「はい!やっぱりまだ寒いんで体動かした方がいいかなーと思いまして!」







不意に孝支先輩が私の方に手を伸ばしてきた






何をされるのかとギュッと目を瞑ると前髪に違和感…






そっと目を開けると孝支先輩が私の前髪に触れていた







「…?えっと、孝支先輩??」







「走ってきたから前髪にクセが付いてた」






ふ、と笑って私の前髪から手を離す







「っ!す、すみません、…ありがとうございます」






朝からこんな素敵な天使スマイルが見れるなんて私はなんて幸せ者なんだ!!






朝早く起きたかいがあった!!






これぞまさに早起きは三文の徳だ!!






「よし、じゃあ行くか!」






そう言って孝支先輩は片方の手袋を取って私に手を差し伸べた






「…??」






「遥音はいつも手袋付けてないからそのまんまじゃ寒いだろ??



だから、はい」





………………朝から私をどれだけきゅんきゅんさせたら気が済むんだろう、この人






勿論私がこんな素敵なお誘いを断る筈も無くおずおずと孝支先輩の手のひらに自分の手を重ねた






孝支先輩は私の手を握りそのまま自分のジャージのポケットに入れた






「こうした方があったかいべ?」







ああ、今まで生きててホントに良かった






今なら死んでも後悔しないよ、私





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