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「____幸いにも特にお咎め無し謝罪も要らない」
その言葉に皆はほっと息をついた
私はその場にいなかったから何のことかわからないけど…
「_______が、何も見なかったことにしろ」
「「「「………………」」」」
孝支先輩と龍は渋い顔をしていて翔陽と飛雄は睨み合っていた
「だがお前ら「お前がちゃんととらないからだへたくそ。
何が"去年とは違う"だふざけんな。
期待して損したクソが。」
「いちいち一言余計だなっ」
____________なあ。
少し…………聞いてほしいんだけどさ。」
「「?」」
大地さんの雰囲気が変わった事に気がついた私達は肩をビクリと揺らした
そりゃ、会話を遮られて喧嘩されたら誰だって怒りたくはなる
「お前らがどういう動機で烏野に来たかは知らない
けど当然勝つ気で来てんだろ」
「ハイ!」
「勿論です」
大地さんの言葉に2人は即答
「____烏野は数年前まで県内ではトップを争えるチームだった
一度だけだが全国へも行った
でも今は良くて県ベスト8特別弱くも____強くもない
他校からの呼び名は____
落ちた強豪"飛べない烏"」
「「……………」」
「まったく誰スかね
そんなポエミーで失礼な名前つけやがったのは!」
龍の言葉に私はうんうんと頷いた
大地さんはそのまま続ける
「烏野が"春高"で全国大会に出た時の事はよく覚えている
近所の高校の…たまにそこらですれ違う高校生が東京のでっかい体育館で全国の猛者達と戦ってる
鳥肌が立ったよ
もう一度あそこへ行く。
もう、"飛べない烏"なんて呼ばせない」
「…全国出場を"取り敢えずの夢"として掲げてるチームなんていくらでもありますよ」
「ちょっ飛雄!?」
「!?バッこのヤロッ」
大地さんに文句言うなんてこの命知らずっ!
おそるおそる大地さんの様子をうかがう
「ああ、心配しなくても
ちゃんと本気だよ。」
「っ!…」
「バカめっ」
やっぱり大地さん怒ってる!!
怖くなって私は孝支先輩の後ろにそっと隠れる
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