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片付けが終わり着替えたあときよちゃんとさよならしてから洗濯を終えたビブスを干す

もうすぐあったかくなるからもう朝には乾いてるだろうなぁ
風に煽られてほのかに洗剤の匂いが香る


「うん、洗濯終了!!」


綺麗に干し終え満足した私は孝支先輩を待つため部室の下で待つ


暫くしてから孝支先輩は降りてきた


「お待たせ」

「いえいえ!それじゃあ帰りましょう!」


2人で歩きながら他愛のない話をする
でも、孝支先輩はいつもとなんか違う様子だった
……多分旭さんのことを考えているんだと思う


「…………孝支先輩」

「…ん?どうした?」

「旭さんと、早く一緒に部活したいですね」


私がそう言うと孝支先輩ははっとした表情を浮かべて口を開いた


「…遥音」

「はい?」

「俺、明日旭の所に行こうと思う」

「!…孝支先輩」

「やっぱり、このままじゃ駄目だと思うんだ…せっかく新しい部員も増えて、西谷も帰ってきて…
このチームに旭は必要だ」


前を向いて歩く孝支先輩の横顔を見上げる


「……孝支先輩、私もそう思います」


私の視線に気が付いた孝支先輩がこっちを向いた


「遥音、ありがとな」

「…何がですか?」

「遥音にはいつも助けられてるから」

「…私、なにもしてませんよ?」

「うん、良いんだ…俺が言いたくなっただけだから」


助けられてるのは私だと思うけど、孝支先輩がそう言ってくれるのは嬉しい


「孝支先輩の助けになれているなら凄く嬉しいです」

「……」

「…孝支先輩??」


真剣な眼差しで見つめられてドキドキと胸が脈打つ


「…遥音」


お互いに目を逸らさずに見つめ合う
逸らさずというより私の場合は逸らせない
段々と近くなる距離に思わず目をギュッと瞑る


唇に感じた暖かい感覚に閉じていた瞳をそっと開くとそこには頬を赤く染めた孝支先輩が映っていた


多分、私はそれ以上に赤いと思う


「…いきなりごめん」

「………いえ、そ、その…嫌じゃなかったので」

「っ!」


お互いに顔を真っ赤にさせているその姿は周りからみたらさぞ変な光景だろう
でも、周りなんて気にならないくらい私は嬉しかった


天野遥音 16歳 生まれて初めてキスをしました。
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