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「#幼馴染」のBL小説を読む
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3


練習後きよちゃんと2人で片付けをしていると夕が飛雄を除いた1年3人にレシーブを教えているのが見えた


「だからよーお前らよーサッと行ってスッとやってポンだよ な?」

「「「?」」」


3人の頭の上に?マークが浮かんでいるのがよくわかった

あんなに擬音語が多かったら理解するのは難しいだろうな
私も聞いてて意味わかんないし…


「きよちゃん、あの説明で分かる?」

「…全然。西谷はきっと頭で考えてないから教えるのは難しいと思う」

「あー…体で覚えてるってやつ?」

「うん」


きよちゃん、何だかんだ言ってちゃんと見てるんだよなー


「遥音」

「ん?なぁに??」

「後は私がするから遥音は向こうに行って良いよ」


部活で使っていたビブスを籠に入れながらきよちゃんが言った


「え?…でも、」

「後はこれ洗濯機に入れるだけだから平気 」

「…うん、ありがと じゃあ私が帰りに干して帰るね」

「うん、よろしく」


きよちゃんにお礼を言って皆の方へ行く


「〜〜〜!〜かっカッコイイッ」

「!!!バッバカヤロウ! そんなはっきり言うんじゃねーよ んニャロー!

ガリガリ君2本食うか!」

「オス!」

「ソーダ味と梨味な!」

「オス!」


またやってる、あの二人…


「…なにか言いたげだねぇ、蛍」

「……イエ」


蛍に近づいて声を掛けると微妙そうな表情を浮かべた


「馬鹿っぽいなーって思わなかった?」

「………」

「ははっ、無言は肯定ってこと?正直だねー…まぁ、私もそう思うけどね」


そういうところが良いとこなんだけど、と付け足して2人を眺めているとふと上から視線を感じた
蛍の方に顔を上げると視線が交わる


「…どうかした?」

「あの……これ」


そう言って差し出したのはこの前貸した氷嚢袋だった


「ああ!これね、ありがと!もう腕は治った?」

「…はい」

「そっかそっか!それは良かった」

「………ありがとうございました」

「…ふふ、どーいたしまして」


視線を逸らしながら言った蛍に思わず笑みが溢れた
そんな私を睨むように見てきたので逃げるようにその場を去った


蛍って意外と素直だなー

私は中身が無くなったぺたんこの氷嚢袋を握り締めた
きっといつ渡したらいいかタイミングを見ていたんだろうなー


うん、可愛い後輩がたくさんできて私は嬉しいよ


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