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「____で 旭さんは??戻ってますか?」
きよちゃんにビンタをされたあとに夕は聞いてきた
…でもまだ旭さんは部活に来てない
もう謹慎は解けてるはずなんだけど
「…………」
「………………いや。」
誰も口を開かない中、大地さんが答えた
「!!_____あの根性無し…!!」
「!!こらノヤ!!エースをそんな風に言うんじゃねぇ!」
「うるせぇ!根性無しは根性無しだ!」
「待てってばノヤっさぁん」
「前にも言った通り旭さんが戻んないなら俺も戻んねぇ!!」
夕はそう言ってズンズン扉まで歩いて行ってそのまま出て行ってしまった
扉を勢いよく閉めたから外に掛かってある体育館の札が落ちる音が聞こえてきた
…あれ、前も落ちたんだよね
「?? なんですか?」
今まで黙っていた飛雄が隣にいた龍に聞いた
「悪い…西谷とウチのエースの間にはちょっと問題が生じていてだな」
「まぁ、色々あったわけだよ飛雄」
ポンと飛雄の肩を叩いて孝支先輩のそばへ歩いて行く
その表情は何かを考えている顔で私は何て声を掛けたら良いのか分からなかった
「レシーブ教えてください!!」
しん…と静まり返っていた体育館の沈黙を破るように突然翔陽の声が聞こえてきた
辺りを見回すけど、翔陽の姿はない…
という事は体育館の外だ
そっと皆で体育館の外へ向かう
近くの階段の影に隠れるようにして二人の様子を見守る
会話は途中からだったけど何か夕はソワソワしていて嬉しそうにしてる
「おれ…まだレシーブへたくそで… バレーで一番大事なことなことなのに…だからレシーブ教えてください!!西_____…西谷先輩!!」
「_______!!!」
「??」
「…………お前…」
衝撃を受けたらしい夕は体をゆらりと揺らし体勢を立て直して言った
「練習の後で…ガリガリ君奢ってやる…」
「えっ!?」
「なんつっても俺は_____"先輩"だからな!!!」
「!!!」
「でも部活に戻るワケじゃないからな!お前に教えてやるだけだからな!!」
なんかよくわかんないけどとりあえず何とかなったみたいだ
「あの二人なんか微笑ましいですね…」
二人とも男子にしては比較的身長が低めだからかな?
夕に言ったら怒りそうだけどね
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