1
烏野が2点リードしてから青城のタイムアウト
みんなにドリンクとタオルを渡しながら空になったボトルをカゴに入れていく
こっちに走ってやってきた翔陽にドリンクを渡そうとしたら横から蛍に取られた
「あ、ちょっと」
どうするのかと成り行きを見ていたら蛍は翔陽の顔にボトルを押し付けていた
相変わらず楽しそうにしてるわ…
試合の時よりも輝いて見えるのは私だけかな?
まあ、二人は置いといて、そろそろタイムアウト終了になるからそれまでにボトルを集めて新しいのを準備しないと
「皆さん空になったボトル回収しますよー」
私が呼び掛けるとみんなありがとう、と声をかけてボトルを入れてくれた
こういう時にマネージャーやってて良かったって思う
私でも役に立ててるって思うし
「じゃあきよちゃん、私ボトル洗って新しいドリンク作ってくるね!」
「あ、私も…」
「いいよ!!きよちゃんはスコアとか書かないといけないでしょ?もう道もわかったし私は大丈夫!!」
「でも…」
「へーきへーき!筋トレにもなるからさ!」
未だに納得していないきよちゃんを押し切ってカゴを持って体育館から出て行く
確か青城の給水所は体育館から近かったはずだし
私立と公立の違いってすごいよね…
烏野には給水所なんてないし…
まあそれだけ部活に気合入れてるってことだよねー
ちょっと体育館から離れたところに給水所があった
ボトルを洗って新しいドリンクを作っているとなんとなく視線を感じて後ろを振り向くとそこには知らない人が立っていた
………だれ、この人
2、3秒目があったけどまだドリンク作り終わってないしスルーしよ
止まっていた手を再び動かそうとしたら
「ちょっと!なんかいうことないの!?」
え、何言ってんのこの人
「……何もないですけど……あ、もしかして冷水機使います?
すみません、それならもう少し待ってっていただけますか?あと3本なんで」
そう言えばこの人よく見たらジャージ着てるし運動部の人みたいだ
「いや、違うし!」
「じゃあ一体何ですか?私今ドリンク作るのに必死なんで…話なら手短にお願いします」
「君そのジャージ、烏野だよね?」
「はい、そうですけど」
ていうか背中にモロ烏野って書いてあるけどね
「へー…じゃあ飛雄ちゃん今どんな感じなの?」
「ん?…飛雄のこと知ってるんですか?」
私がそう言って顔を上げるとその人は途端に表情を変えた
なんだこの人、かまってちゃんか…
prev next
list page select
bookmark (
list)
text(91/72) chapter(4/1)