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ひなちゃんに質問

「ひなちゃん」
「んー??」

練習後の体育館での事、武田先生が買ってくれたというジュースを飲んでいる雛乃の横で同じくドリンクを飲んでいた時
ストンと雛乃の隣に腰を下ろした大地が話しかけた

「だいち、なぁに??」
「ひなちゃんに聞きたいことがあるんだけど」
「いいよー!」

ジュースを両手に持ちにぱっと笑みを浮かべて雛乃
周りに花が飛んでる、可愛い

というか聞きたいことってなんだ?

「雛乃ちゃんは旭は平気なのになんで田中は苦手なんだ??」
「あ、それ俺も気になってた」

大地の質問に俺も隣で頷く
見た目で言ったら旭の方が体格が良いから怖いだろうし

「んー」

雛乃は少し考えるようにして暫くして口を開いた

「…あしゃひはね、やさしーこえなの」
「声??」
「ん、でもね、りゅーはおおきくてね、こわいの」
「…確かに田中の声はでかいな」
「声の大きさが問題なら西谷はなんで大丈夫なんだろ」

大地の言葉に確かに、と頷く
田中も西谷もどっちも声はでかくて騒がしい

「のやはね、ひなとおはなしするとき、しゃがんでくれるの」
「…へぇ、それはなんか意外だな」

西谷がそこまで子供の扱いに慣れてるとは
でも西谷は面倒見良さそうなイメージはあるな
ちびっ子たちと公園でワイワイ遊んでそう

「要するに田中は声がでかいし話す時に見下ろしているから威圧感が半端無いってことか」
「そういう事みたいだな」
「…一応、田中に伝えておくか」
「そうだな」

田中のヤツも結構堪えてるみたいだし
これで少しでも部員達と仲良くなってくれた方が俺も嬉しい

後日西谷と一緒に大地からアドバイスを貰って声のボリュームを少し下げ目線を合わせながら雛乃と必死にコミュニケーションを図ろうとしている田中の様子を見て笑ってしまった

…すまん、田中


(ほら、龍!)
(いや…でもよぉ、ノヤっさん)
(男は度胸だ!!)
(度胸も大事だけど散々怖がられまくってると俺のメンタルもやられるんだぞ)
(俺も一緒について行くからよ!)
(ノヤっさん!!!)


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