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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

初めてのお客様

今日は大地と旭たちとで試験勉強をする為俺の家で集まることになった

そして昼を過ぎたところで家のインターホンが鳴った
きっと大地たちだろうとキッチンで洗い物をしている母さんに俺が出る事を告げて玄関へ向かう
当然の様に俺の後ろをちょこちょこ付いてくる雛乃

「きっと大地たちだぞー、雛乃も一緒に行くか!」
「だいちー??いくー!!」

キラキラと表情が輝き出す雛乃
そう言えば雛乃が来てから家に人を呼んだことが無かったかもな

玄関のドアを開けるとそこには普段着姿の大地と旭がいた

「おかえりー!!」

俺が声を掛けるよりも先に雛乃が2人に声をかけた

「雛乃、おかえりじゃなくて、いらっしゃいって言うんだよ」
「いらっしゃい??」
「そう、お客さんだからな」
「おきゃくしゃん、いらっしゃい!!」
「……なんか違うけどまぁいいか」

苦笑いする俺に大地たちは笑った

「えーっと…いらっしゃいました」
「わざわざお出迎えしてくれたんだ」
「うん!おきゃくしゃんはね、はじめてなの!」
「そうなの?」
「そう言えば最近スガの家に来てなかったかもな」

俺を置いてどんどん話を進める3人

「取り敢えず中入りなよ、なんか飲み物持ってくから先に俺の部屋行ってて」
「じゃあひながつれてったげるー!!」
「雛乃、案内よろしくなー」
「はーい!!だいち、あしゃひ!こっちよ!」

何度か俺の家には来たことあるけどそれに黙って付き合ってくれる2人にアイコンタクトを送る
2人もそれに気が付き頷き返してくれた

階段を上っていく3人を見送りキッチンへ俺は飲み物と軽くつまめる物を取りに向かった

キッチンには母さんがいた

「大地君と旭君来たみたいね」
「あぁ、うん。何かお菓子とかあったっけ?」
「はいはい、ちょっと待ってね」

洗い物をしていた手を止めて母さんは戸棚からお菓子を数袋取り出しお茶の入ったグラスを乗せたお盆を俺に手渡した

「これでいいかしら?」
「うん、ありがと」
「あ、孝支ちょっと待って」
「ん?」

自分の部屋に行こうとしたら後から声をかけられた
母さんは戸棚からもう一つ小さいお菓子の箱を俺に手渡した

「?これって」
「ひなちゃんの。今このお菓子にはまってるの」
「へぇ、そうなんだ」
「持っていってあげて」
「うん、わかった」

それは女の子の好きそうな可愛い猫の動物が描かれているパッケージだった
雛乃は今これにはまってるのか
今度一緒に買い物に行った時に買ってあげよう


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