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話をしてみる

「ん?あぁ、あのチビちゃん??別に構わねぇけど」
「え…い、いいんですか?」

次の日、俺はドキドキしながら監督に話を持ちかけた
するとなんとも呆気なく許可が降りた

「いつも静かにしてるしな…まぁ、怪我しねぇようにせんせーとか清水の近くにいてもらう事になるだろうけど。そこら辺はお前の方から話しておいてくれよ?」
「ほんとすみません…家に帰ったら親にも伝えておきます」

監督にもう一度頭を下げると気にすんな、と笑ってくれた
なんて言うか、申し訳ないけどホッとした部分も大きい

泣きながら連れて行ってと訴える雛乃を置いていくなんて罪悪感でいっぱいでとてもじゃないけど練習に集中できないだろうし
なかなか相手をしてあげる事は出来ないかもしれないけど、雛乃が安心出来るならそれにこしたことはないと思った

人一倍置いていかれる事に敏感な雛乃だからできる限りのことをしてあげたいと思う

と言うよりも、俺も雛乃と離れると心配で落ち着かない部分もあるからなんだけど
部活の最中は気にしてる暇もないだろうけどその後がどうしても気になって仕方ないはずだ


「スガ、どうだった?」
「あ、良いってさ」
「良かったなー」
「おー…」

監督と話していたのを見ていた大地が俺の所までやって来た

「良かったけど、怪我させないように気をつけないとな」
「まぁ、清水いるし大丈夫だろ」
「そうだな…清水にも言っとくか」

清水にも声を掛けたら物凄く真剣な目をして頷いてくれた
清水も雛乃の事を気に入ってくれてるし、任せても大丈夫かな





「そうなんだ、合宿に来れるんだ」
「それで清水にお願いがあるんだけど…」
「あぁ、ひなちゃんの事ならちゃんと見ておくから心配しないで」
「…助かる」
「いいの、私も一緒に居るの楽しいし…なんか妹が出来たみたいで嬉しい」

清水に話をしてみるといつもより表情を和らげて受け入れてくれた
清水はしっかりしてるし、面倒みも良さそうだから安心だ


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