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おでむかえ

部活が終わり帰り道、バレー部員たちと喋りながら下校する

今日の練習はいつもよりもハードメニューだったため心無しかみんないつもより疲れ気味だ
…ただ1人日向を除いてだが
練習中も1番走り回っていたのにあの小さな身体にはどれだけ体力があるのやら
しかも登下校にはチャリで山を越えるとか…
自分では考えられないな


「スガが家にいない時ってひなちゃんってどうしてるんだ?」


坂ノ下の辺りで大地がふと、話題を振ってきた
俺は大地の言葉に少し考えてから口を開いた


「基本母さんと一緒に何かしてるみたいだけど、俺が帰り着く頃には必ず玄関で待っててくれるよ」
「へぇ」

たまに帰りが遅くなった時も変わらず待っててくれたのは正直めちゃくちゃ嬉しかった
それと同時にそんな時間まで待たせてしまっていた事に申し訳なさも感じたけど


「ただいまって玄関開けると雛乃が座って待っててさー。俺の顔見た途端超目をキラキラさせてんの。もう可愛いのなんのって…」
「でた、スガの親バカ」
「いやーだって考えてみろよ。部活で疲れてヘトヘトになってる時におかえりって可愛い笑顔付きで言ってくれるんだぞ?しかも俺限定で」
「それは素直に羨ましいけれども」

ひなは大抵家族みんなをお出迎えするけど玄関で帰りを待ってるのは俺だけだ
その事が俺にちょっとした優越感を抱かせる

「はぁー、早く帰って癒されたい」
「…純粋に俺も癒しが欲しい」
「良いもんだぞ、ホントに天使に見えるからうちの雛乃」
「スガ、お前のそのドヤ顔むかつくわ」
「はははー、なんとでも言えば?」

何と言われても雛乃が毎日家で待っててくれる事には変わりないからな

「…でも、そんなに菅原の帰りを楽しみに待ってるなら合宿の時ひなちゃん寂しいかもね」

俺達の話を聞いていた清水がボソリと呟いた

「え?合宿??」
「…あるでしょ?来週よ」
「あぁ!!そうだった!合宿!!」

すっかり忘れてた、そう言えば合宿がある!
いや、雛乃は最近母さん達と3人で出掛けることもあるみたいだし
少しの間、俺がいなくても大丈夫…か?
(俺としては物凄く寂しいけれども)

「…ちゃんと伝えとかないといけないな」
「スガ…」
「これでめっちゃ笑顔でばいばいとか言われたらショックだわ」
「ま、頑張れよ」

他人事だな、と言えば他人事だしな!と笑われた

帰ったら雛乃と話をしないとな…
あ、あと
母さんにも相談しないと

はぁ、と一つ溜息を零して俺は家路に急いだのだった




(っ!にーに、おかえりなしゃい!!)
(ただいまー雛乃ー)
(ぎゅーっ)
((あぁ、もう、まじで可愛いなぁ!)癒されるー)
(??)
(雛乃にギュッてされると疲れが吹き飛ぶってこと)
(ほんとー?それならもっとぎゅーってしゅる!)


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とりあえず先に癒しタイムです。


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