君と私の物語 | ナノ
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松元さんを送り届けたあと俺は一人でガッツポーズをしてしまった

良かった…良かったぁ!!

勢いで誘ってしまったけどまさかオッケーしてくれるなんて思っても見なかった
ダメもとでも、言ってみる価値はあったな

ポカンとした顔してたからてっきり断られるんだって思ってたから嬉しさは倍増
嬉しくてにやけそうになる口元を手で押さえて堪える

日曜日、何処に行こうかな
彼女の好きなものっていったら本しか思い浮かばない
ああ、こんなことならもっと好きな食べ物とか色々聞いておけば良かった…

女の子ってそもそも何が好きなんだ?
バレーばっかりやってたから何もわかんねぇ…!
甘いものとか好きなものなのかな
俺みたいに辛いのが好きだったら嬉しいけど…

そこでふと目に入ったのは電柱に貼られていたチラシ
今週の日曜日にふれあい動物パークが開催されるらしい
松元さん、動物とか好きそうなイメージなんだけど…
取り敢えず候補に入れておこうかな
他の事は家に帰ってから考えよう

彼女の家を振り返って見る
きっと暖かい家族が待ってるんだろうな…
あんなに良い子が育つんだから

「日曜日、楽しみだな…」

…そういえば松元さんにメールしたことなかったな
せっかくアドレス聞いたのにもっとメールとかしとけば良かったかな
今日は金曜日だから明日は図書室に行く予定は無い
明日あたりメールしてみようか

携帯のアドレス帳に入っている松元依伽の文字を眺めながらそんなことを思う

日曜日、オッケーしてくれたってことは少しは期待しても良いんだろうか
自惚れてしまうのも無理ないと思う
あの赤くなった表情を見たら勘違いしてしまいそうになる

松元さんとちゃんと話すようになってまだ1ヶ月も経っていない
まだ短い時間だというのに俺の中でこんなに彼女の存在が大きくなっている
彼女の色んな面を見てどんどん好きになる

人を好きになったらそれまでだと思ってたけどそうじゃなかった
好きになったそこで終わりじゃない
好きよりもっと好きになる

…自分がこんなにメルヘンチックだったとは思わなかった
とにかく、今日はさっさと帰ろう
それで、彼女にメールを送ろう

「そうと決まれば早く帰るか!」

小さく呟いた俺の足取りは軽かった


数時間後彼女になんてメールを打とうかとベッドの上で悶々と悩むのはまた別の話
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