君と私の物語 | ナノ
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コトリとコーヒーの入ったマグカップを2人分テーブルに置く

「はい」
「ありがとう、孝支君」
「砂糖とミルクは要らなかった?」
「うん」

あの頃と変わらない笑顔に俺まで笑みがこぼれる

「どうしたの?急に笑って」
「いや、依伽があの頃から変わってないなって」
「なに、それ…女として成長して無いってこと?」

俺の言葉にむっとする依伽
付き合ってから本当に色んな表情をする事が多くなった
それが、嬉しくて、凄く幸せだなって思う

「違うって、依伽はずっと前から魅力的だったよ」
「っ!こ、孝支君が、こんな恥ずかしい事をポンポン言う人だなんて思わなかった」
「いや?」
「い、嫌っていうか……反応に、困る」

そう言って顔を赤らめて俯く依伽
いつまで経ったも初心なところは本当に変わらない

「あの時も、本当に困ったんだから…」
「あの時?」
「だから、その…ふれあい動物パークの時…」
「あぁ…」

そう、あの後は大変だったのだ
自分達の世界に入り込んでいてあの場所が何処だったのか全く頭に無くて告白し終わったあとは周りの人達から何故だか盛大に拍手をされた
俺達はいたたまれなくなってその後予定変更で街に向かったんだけど
まぁ、あれは困るし、忘れられない出来事だったよな

「でも、こうして依伽と続いてるから結果オーライって事で」
「……それは、そうだけど」

あの日からもう2年経った
俺と依伽は同じ大学に進学して今は同じマンションに住んでいる

「ね、依伽」
「ん?…あ、今飲んでたのに」

コーヒーを飲んでいる依伽の手からマグカップを奪う

「キス、してもいい?」
「なっ!なにっ…ん!」

拒否権は無いとそのまま断りもなく口付けた
触れるだけの口付けは少しだけコーヒーの味がした
そのまま額をコツりと合わせて視線を合わせる

「…こ、孝支君は、ちょっと意地悪だ」
「はは、嫌いになった?」
「ほら、その質問も」

グリグリと額を擦り付ける依伽
あぁ、ほんと可愛いなぁ

「依伽、好きだ」
「……私も」
「私も?」
「……す、すき」
「うん、知ってる」
「…っ孝支君!」
「ははは、ごめんって」

あぁ、幸せな時間だな
こうして何にもない休日に2人でまったり過ごすのは

「ねぇ、孝支君」
「ん?」
「幸せだね」
「…うん、俺も今そう思ってたところ」
「ふふ、以心伝心?」
「だったら嬉しいな」
「……ずっと、一緒にいようね」
「依伽が嫌だって言っても別れるつもりないから」
「…そんなこと言うわけない」
「だったら心配いらないな」


クスリとお互い笑いあってもう一度キスをした



fin.

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