君と私の物語 | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -



菅原君と一緒に帰るのはやっぱり少し緊張する。
でも会話は途切れる事はなくて楽しい時間

私と菅原君の距離は約20センチ
さりげなく車道側を歩いているところは流石だと思う

「そう言えばいつも此処で別れるからなんだか新鮮だなぁ」
「え、あぁそうだね」

いつもの分かれ道で別々になるのにこうして隣を菅原君が歩いているのは何だか変な感じがする
それにしても、なんとなく菅原君の様子が変な気が…
気のせいではない、と思う…多分

「菅原君、なにかあった?」
「え?」

やっぱり私が眠っている間になにかやらかしてしまったんじゃ…?!
どうしよう…
はっ、まさか眠りこけて怒ってるとか?!

「ご、ごめん、やっぱり怒ってる?」
「や…なんで?」
「勉強してる横であんなに爆睡されたら怒るでしょ、普通…」
「怒ってないよ」
「ほ、ほんとう?」
「ほんとほんと」

…ていうかこのやり取り図書室でしたのと同じだ
菅原君も同じ事を思ったのかふ、とお互い笑い合った

「あ、家あそこ」
「え、」

我が家が見えてきたので指を指して言うと菅原君はちょっと残念そうな顔をした

「なんか、あっという間だったな」
「うん、そうだね…いつも私一人だと少し長く感じるけど今日は菅原君と一緒だったからすぐだったよ。ありがとう」
「いや、こっちこそ、俺も楽しかった」
「じゃあ、また…」
「あ、松元さん!」
「??」

家の玄関へと続く門を開こうと思ったら後ろから声を掛けられた
振り返るとなんだか神妙な面持ちでこっちを見ていた
私までなんか緊張してきた

「あ、あのさ」
「う、うん」
「今週の日曜日暇?」
「日曜日?」

日曜日は特に何もなかったはず

「特に予定は無かったかな」
「じゃあさ、どこか遊びにいかない?」
「………え?」
「急にごめん!やっぱり無しで!!」
「え、な、なんで!行こうよ!!」
「い、いいの?」
「ぜひっ!」
「よ、良かった…じゃあ、メールするから!」
「うん、またね」


家に帰ってから冷静になってみたら私、凄い強引に言ってたよね?!
引かれてないかな??
っていうか、これって…これってデート?
いやいや、菅原君は単純に息抜きのために誘ってくれたんだよ!
勘違いしちゃだめだぞ依伽!!

でも私、可愛い服持ってたっけ……
そう言えば暫く洋服買いに行って無いな
だけど月々のお小遣いのなかから新しい洋服なんか買ってしまったらお金がなくなってしまうし

「お姉ちゃんに相談してみようかな…」

私よりも3つ離れた姉のことを思い浮かべる
洋服貸して、何て言ったらどんな反応をするだろうか…
あの人の性格上絶対からかってくるんだろうな
…でも背に腹は変えられない
ここは腹をくくろう

未だに連絡を取り合った事の無い菅原君のアドレス帳を眺めながらため息を溢した
<<>>