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そこで以前由紀が好きの違いを力説していた事を思い出した
『いい、愛乃!好きって気持ちには二つあるの
一つは私が愛乃の事を好きだって言う事
これは所謂友情の意、英語で言うとlikeのこと
もう一つが男女の間に芽生える気持ち、これはさっきのlikeとは違うのよ?
loveよ、love!分かる!?
もし、愛乃がこれから先ある男子を見ていて苦しくなったり嬉しくなったりしたらこれはlikeじゃなくてloveよ?!』
『う、うん??』
『分かってないなこれは…まぁ良いわ
でもこれだけは覚えておくのよ!』
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正しく今の状態が由紀の言っていたそれと一致していた
しかし今の状況でこれはただ愛乃を混乱させるばかりだった
「(た、確かに私は蛍ちゃんのこと好きだし、でも今までそんなこと考えた事無かったし
気付いたところで私はどうしたらいいの!?)」
「愛乃?」
「うわぁ!?はいぃ!何ですか!?」
「っぷ…くく、そんなに吃らなくても」
笑う月島の姿に愛乃は胸がトクンと跳ねた
おかしい、いつもなら全然平気だったはずなのに
「(蛍ちゃんのこと好きだって気が付いたら何かおかしくなっちゃった!!)」
愛乃は火照った頬を冷やす様に頭を振った
「ねぇ、愛乃」
「な、なに??」
「…………好きだよ」
「…え?」
聞き間違いじゃなければ今好きと言われたはず
でも、この好きはどっちだろう
由紀が言っていたlikeなのか、それとも…………love、なのか
悶々と考えている愛乃に気が付いたのか
「言っとくけど、恋愛感情でだから」
「!!!??」
その言葉に更に顔に熱が集まる
「愛乃は…?」
「わ、わたし、も…蛍ちゃんのこと
………す、すき、だよ」
俯きながら答える愛乃の両頬をつかみ顔を上げさした
その表情は今までに見た事の無いほど真っ赤になっていて自分と同じ気持ちなんだと言う事を月島に実感させた
こうして晴れて両想いとなり二人は付き合うことになったのだった
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