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「ほら、行くよ」
愛乃の手を取り斉藤さんの家へと歩き出す
「え?あの、蛍ちゃん?」
戸惑う愛乃を他所にどんどん進む
「愛乃は鈍臭いからまた転けたりしたら危ないでしょ」
「な!もう転けたりしないもん!
蛍ちゃん部活で疲れてるんだからお家に帰ってゆっくりした方が…」
愛乃の言葉に思わずため息が溢れる
どれだけ鈍いんだコイツは……
「黙ってついて来なよ……どんだけ鈍いわけ?」
「、あ」
やっと僕の言いたい事が分かったのか頬を染めながら俯いた
繋いだ手をギュッと握り締めてきた愛乃にこっちまで顔が赤くなった
少しでも一緒にいたいと思うのはきっと僕だけじゃない
そう思ったのは俯いた彼女の耳が真っ赤だったから