6
いつもよりドキドキしているのが自分でもよく分かって
あまりの音の大きさに蛍ちゃんにまで聞こえているんじゃないかと思う
そっと顔を近づけて触れるだけのキスをした
唇を離そうとしたら蛍ちゃんに手を引っ張られ前のめりになった
「わっ!?…蛍ちゃ…っんぅ……ん、ぁ…」
さっきとは比べ物にならないほど深いキスに足が震える
「んっ…け、ちゃ…」
「あんなのキスって言わないよ」
蛍ちゃんに抱き寄せられ腕の中にスッポリと包まれる
「わ、私にはあれ以上の事は出来ないよ 」
私にはハードルが高過ぎる
蛍ちゃんの胸にコツンと額を付けて小さく呟く
「…まぁ愛乃にしては頑張った方だけど」
ポンポンと頭を撫でられた
「……あれ以上は無理だからね」
念を押す様に同じ言葉を蛍ちゃんに言った
雨にうたれて冷え切っていた身体がいつの間にか温まっていた
もしかして、蛍ちゃんはこうなることが分かっていたのかな?
口に出したらもう一回する??なんて言い出しかねないから言わないけど
こんな温まり方も悪くないかな、なんて思ったりして