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顔を上げて目に入ったのはまだ濡れたままの状態でいた蛍ちゃん
未だに髪の毛からポタポタと滴が落ちている
「け、蛍ちゃん!ごめんっまだ濡れたままだった!
今度は私が拭くから蛍ちゃんベンチに座って!」
私が使った後だから少し湿ってしまったけどそのままにしておくより全然ましだ
そう思い蛍ちゃんの腕を引っ張ってベンチに座らせる
「蛍ちゃん寒くない?」
髪を拭きながら蛍ちゃんに声を掛ける
「ん…平気」
「……良かった」
蛍ちゃんの様子を見る限り嘘をついているワケでは無いみたいでその事に少しホッとする
「なんか、何時も見上げてるからこうやって上から蛍ちゃんを見るのって新鮮」
大体拭き終わった頃に改めて今の様子を見て思った
「下から見上げる愛乃も悪くないね」
「……え?」
蛍ちゃんはまだ頭に手を添えたままの私の手を取った
「ねぇ、愛乃」
「な、なに…??」
腕を若干下に下げられ自然と距離が近くなって声がうわずる
「愛乃からキスしてよ」
「……………え?」
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