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「よし、書けた!
蛍ちゃんも願い事書き終わった?」
「まぁね」
「じゃあ、笹に吊るしに行こう!
蛍ちゃんこっちこっち」
そう言って蛍ちゃんを手招きしてベランダのある窓まで近づく
「庭に笹があるんじゃないの?」
「ふふ、それがね…」
部屋からベランダに出る
「丁度私の部屋のベランダに笹があるの!
今年の笹はすっごく立派だから私の部屋まで来てるんだー
高い方に吊るした方が願い事が叶いそうな気がするでしょ?」
「あーうん、ソウダネ」
「蛍ちゃん馬鹿にしてるでしょ…」
「してないしてない、ほら短冊吊るすんでしょ」
そう言って蛍ちゃんは自分の短冊を吊るし始めた
私もそれに続いて短冊を吊るす
「蛍ちゃんは何を書いたの?」
「願い事って人に言ったらダメじゃ無かったっけ?」
「あ、そうだったね」
すっかり忘れてた…
そのまま空を見上げると夜空に天の川が綺麗に広がっていた
「わぁ…!蛍ちゃん、見てみて!」
隣に立っている蛍ちゃんの服の袖を引っ張る
「天の川、すっごく綺麗だよ!」
「ここは田舎だからね…
東京とかだったら多分見れないだろうし」
「じゃあ田舎にいて良かったね」
確かに東京に憧れは抱いているけど、私には此処でのんびり過ごしている方が合ってるもん
「愛乃はボーっとしてる事が多いから田舎が合ってるんじゃない?」
口では意地悪言うけど蛍ちゃんの表情は柔らかい
「蛍ちゃんがいるから、ボーっとしてても大丈夫なんだよ」
ニッコリ笑う私に蛍ちゃんは軽く指で額を弾いた
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