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夕飯も食べ終わりお風呂に上がった頃丁度インターホンの音が響いた
1番玄関に近かった私が出る
この時間に来るお客さんは勿論…
「いらっしゃい、蛍ちゃん!」
予想通り、外にいたのは蛍ちゃんだった
髪の毛がほんのり湿っているところを見ると蛍ちゃんも私と同様お風呂上がりみたいだ
「…お邪魔します」
「あらあら、蛍ちゃんいらっしゃい!
インターホンなんか鳴らさなくても勝手に入っていいのに〜」
インターホンの音を聞いて居間から出てきたお母さんが蛍ちゃんに声を掛ける
「いや、もう夜も遅いので…流石に」
「あらまぁ、立派になって〜
ほらほら、そんなところに立ってないで早く上がりなさい
後で愛乃の部屋にスイカ持って行くわね」
「はい、ありがとうございます」
蛍ちゃんはペコリと頭を下げて家へ上がる
私もそれに続いて自分の部屋に向かう
「あ、適当に座ってて?私飲み物持ってくるから」
部屋に入ってから飲み物がない事に気が付き出て行こうとしたら突然蛍ちゃんが私の腕を掴んだ
「蛍ちゃん…?」
どうしたのかと思い見上げると蛍ちゃんは私の肩に掛かっているタオルを取り頭に乗せた
「髪、濡れてる…
最近暑くなってきたけど油断すると風邪引くでしょ?
夏風邪なんて引いたら洒落にならないよ」
ガシガシと髪を拭いてくれる手付きは荒っぽいけど、声色はとても柔らかい
「うん、ありがとう…」
さり気ない優しさに思わず笑みが溢れた
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