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「目、瞑っててよ?」
「はいはい」
言われた通りしっかりと目を瞑る蛍ちゃん
なんでこんなに冷静なんだろう
私はこんなに心臓がバクバクいってるのに
「ねぇ、まだ?」
「わ、分かってるよ」
そのままゆっくりと顔を近付けて触れるだけのキスをした
「も、もうおしまい……蛍ちゃっ!?」
唇を離し蛍ちゃんから離れようとしたらそのまま顔を引き寄せられキスをされた
「っ…んふ……ぁ…」
さっきのとは比べものにならないほど甘くて深いキス
「っはぁ……あんなのキスのうちに入らないでしょ」
「わ、私にとってはキスだもんっ」
「まぁ愛乃にしたら上出来かな」
ふっと笑みを浮かべる蛍ちゃんの表情からはイライラしたものは感じられなくついつもの蛍ちゃんだった
「ほら、帰るよ」
「私の事許してくれる?」
私の手を引っ張って歩く蛍ちゃんに後ろから声を掛ける
「愛乃、言っとくけど僕以外に好きなやつとか出来ても絶対別れてなんかやらないから」
「わ、私も!蛍ちゃんに好きな人ができても絶対別れない!!」
「はは、顔真っ赤」
喧嘩なんかもうしたくないけど、たまにはこうやって思いを伝え合うのも悪くないかなって思った初喧嘩の日だった