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「け、蛍ちゃん??」
どんな顔をしているのか知りたくて覗き込もうとしたら強抱きしめられて蛍ちゃんの表情を見る事は出来なかった
「別れたいなんて思うわけないだろ」
「…え?」
「やっとの思いで愛乃と付き合えたんだ
別れるわけないだろ」
「…蛍ちゃん」
嬉しかった
蛍ちゃんが私の事大事にしてくれてるってすごく伝わってちょっと泣きそうになる
「……でもまぁ、愛乃の言葉に傷ついたのも事実だしねぇ
僕の事傷つけたんだから、慰めてよ」
「え、あ…うん、そうだよね
あ、じゃあ今週の日曜日にケーキ食べに行こう??私が奢るから」
「愛乃さぁ、僕にケーキ食べさせればどうにかなると思ってるでしょ」
え、いや…そんなことは無い…と思いたい
「ほらね」
蛍ちゃんは私の顔を見て呆れた表情を浮かべていた
「じゃあ、蛍ちゃんはどうして欲しいの?
私に出来る事なら何でも言って??」
頭をなでて欲しい、なんてことは無いだろうし
「じゃあ愛乃からキスしてよ」
「はぃ!?」
「何?まさか出来ないわけ無いよねぇ
今さっき何でも言ってって言ったクセに」
「だっ、だって!」
「あーあ、愛乃がなんでもしてくれるって言ったのに約束破るんだ
ショックだなぁ…」
緩まった腕から顔を上げると蛍ちゃんは何時もの意地悪な顔をしていた
「わ、わかったよ!すればいいんでしょう!」
もうヤケになるしかない
蛍ちゃんの両腕を引っ張って距離を縮める
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