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「あ、ほら…せっかく牛乳持ってきたんだしこの子達にあげようよ」
とりあえずこの険悪な雰囲気を変えないといけないと思い提案すると2人は渋々ながらお互いを睨み合う事を止めた
家からもってきた少し大きめのお皿を手提げから取り出し地面に置いて牛乳を注ぐ
すると子猫達は我先にと集まってきた
「か、可愛いっ!!」
一生懸命になって牛乳を飲む姿はまさに癒しだ
一緒になってしゃがみこんで覗いている影山君も頬が緩んでいる
そして、その横からつまらなさそうに眺めている蛍ちゃん
「ほら、蛍ちゃんも見て見て!」
そのまま立ったままでいる蛍ちゃんなや手招きする
「…………」
蛍ちゃんはゆっくりと歩いてきてしゃがんだ
「おわっ!?」
……私と影山君の間に
「ってめえ!!何しやがる!!」
「あぁ、ごっめーん。王様がしゃがんでるの見えなかった」
…いや、影山君が怒るのも無理ないよ
子猫見てたら割り込まれてそのままバランス崩して倒されたんだから
蛍ちゃんが意地悪なのは知ってるけどどうしてここまで影山君に突っかかるんだろう…
…実は仲良くなりたいとか?
有り得ない事もない、かな…??
子猫達ももう2人のやり取りに慣れたのか怯える事も無く一生懸命牛乳を飲んでいた
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