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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -
4
今回のお題もやっぱり無理難題の物が多かったらしい

人物では
[鬘を付けた先生]
[金髪の女の人]
[ハーフの人]
…などなど
最初のやつなんか限定し過ぎで笑ってしまった
このお題が当たった人には悪いんだけど…

物では
[筆箱]
[サングラス]
[黄色いリボン]
とかだった
筆箱なんて持ってきてる人いたのかな?
私は置いてきちゃったから貸すことは出来なかったけど…

結局見つからなかった人も何名か居たみたいでゴール出来なかったので点数が入らなかった分もあった
…やっぱり無理あるよ、あのお題



借り物競争も無事(?)終わり次は待ちに待ったパン食い競争!
私は1番最初に走るので前の方に待機して始まるまで今か今かと待ち望んでいる

「あ、愛乃ちゃん」
「?あ、先輩!」

声を掛けられた方を向くとそこには委員会が一緒でこのパン食い競争について教えてくれた先輩がいた

「やっぱり愛乃ちゃんも参加したんだね」
「はいっ、幻のパンを食べるために!」
「あは、かわいいなぁ」

そう言うと先輩は私の頭をポンポンと撫でた

「愛乃ちゃん、変なのに当たらないといいね」
「へ?…どういう意味ですか?」
「あれ?知らなかったの?このパン食い競争、「一番目に走る人達は並んでくださーい」あら、呼ばれちゃったね…まぁ、すぐ分かるから」
「ええ?!」

すっごく気になる!!
そう言えば蛍ちゃんが前にパン食い競争は面倒くさいらしいって言ってたのすっかり忘れてた!
なんで今の今まで忘れてたんだろう!!

もしかして幻のパンは数あるうちの何個しかないとか?!
もしそうだったらどうしようっ
折角幻のパンを食べるために今日を楽しみに待ってたのに…

係の人に手を使わないようにと後ろで手を縛られる
自分の走るコースに並んで始まりの合図を待つ

それともハズレがあるとかなのかな…
心無しか隣に並んでいる(多分上級生)人の顔色はあまり良くない

違う意味でドキドキしてきた…

じゃあなんで先輩はあまり嫌そうじゃなかったんだろう
くじ運がいいから、とか?

そんなことを考えていたらいつの間にか開始の合図が鳴り私は周りよりも少し遅れてスタートする羽目になってしまった

まぁ、パン食い競争って早く走ったからと言ってすぐにパンが取れるわけじゃないから急がなくてもいいかなぁ

駆け足でパンが吊るされている場所まで走る
パンには何やら紙が貼られてあって中身が見えなくなっている
…やっぱり当たりハズレがあるんだ!

でもどれを選んだらいいのかわからなかったから取り敢えず自分の目の前にあるパンに決めた

もたもたしているうちに先輩はパンを取ってゴールに向かって走っていた
流石2回目とあって慣れている

宙を揺れるパンを見つめ自分の方に風で揺らいだ瞬間にかぶりつく

「っ!」

取れた!

私がゴールに向かって走ると先輩は既にゴールしていてパンを係の人に取られていた
係の人に手の紐を解いてもらってパンの回りを隠していた紙を剥がし係の人に見せた
そして係の人は何故かマイクを先輩に向けてインタビューし始めた

《今年も1位でしたね!》
《そうですねぇ》
《今回のお題は[告白をする]みたいですね!》
《告白…ねぇ》
《さぁ、どうぞ!!》

「!?」

告白!?
え、これ、お題が書かれてあるの?!
思わず走っていた足を止める

《縁下ーー!この前ノート無くなったって言ってたやつ何故か私の本棚に置いてあった!!今度なんか奢るから許してー!!》

え、縁下ってバレー部の縁下先輩のこと?
唖然とする私を他所に再び係の人が喋る

《えー、告白ってそっちですか》
《告白は告白ですよ》
《流石ですね、去年も上手くかわしてたし》
《あはは、口が上手いもんで!来年も参加しますよーこのパンの為に》

先輩は笑いながら1番の旗の後ろに座っていた

ど、どうしよう!!
私のこのパンに包まれてる紙には何が書かれてるの?!

ゴールしたくない…
でもパンは食べたいっ

他の人達もなんか足取りが重たいような気がする…
小走りで走ってもゴールには到着してしまう

っていうか私2番目だ!!
だって他にも横に人いたはずなのに私の後ろで歩いてるんだもん!

えぇ…いやだなぁ

仕方なく係の人にパンを渡し紐を解いてもらう
ドキドキする、どうしよう…

パンに包まれてる紙をゆっくりと剥がす

ゴクリと思わず生唾を飲む