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「#幼馴染」のBL小説を読む
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「噂によるとそのパン食い競争ちょっと面倒らしいけど、まぁ精々怪我しない程度に頑張りなよ」

蛍ちゃんはそう言うと踵を返して教室から出ていった

「部活、頑張ってね!」
「愛乃ちゃん、また明日」

蛍ちゃんと忠君に手を振り見送る
まぁ蛍ちゃんは返してくれなかったけどね

今日は委員会も無いし早く家に帰ろう
帰る準備を終わらせ足早に教室から出ていく

…そう言えば蛍ちゃんが言ってた面倒ってなんだろう

今度先輩に聞いてみよう

うん、と1つ頷いてから帰路についた


結局家に帰ったら自分の大好きな物ばかりで溢れる夕食によって当日まで思い出されることは無かった

その時の私はこれ程までに後悔する事になるなんて微塵も思わず
美味しそうな夕食にただただ目を奪われているのだった



*****


体育祭当日


赤組と白組に分かれて点数を競い合う
ちなみに私達のクラスは白組だ
日向君のクラスは赤組、影山君のクラスは白組で何故か蛍ちゃんと影山君は同じ組なのに睨み合ってた

何の種目に出るのか聞いたら日向君は50m走影山君は100m走だって言ってた
二人とも足が速いんだろうなぁ

あと蛍ちゃんは汗をかくのは嫌だといって借り物競争、忠君は障害物リレー

見事にみんなバラバラだったので、みんなのこと応援するね!といったら蛍ちゃんに頭を叩かれた
…なんで??

私が心待ちにしているパン食い競争は午後の部にあるみたいで今からワクワクだ



開会式の時はまだ日も照っていなくて涼しかったけど今はもう太陽も真上にきていてテント内にいるのにとても暑い
応援団のエールを見ているだけでも汗が垂れてくる
もう秋なのになぁ…
日中はまだまだ夏場と変わらない気温だから熱中症にならない様にこまめに水分補給をする

それから暫くして競技が始まり皆が応援をする
最初の種目の50m走では日向君が見事1位を取っていた
すごい速かった…
その後に100m走で影山君が走りこれまた1位

バレー部って凄い運動神経のいい人達の集まりなんだなぁ…
だって陸上部を差し置いて1位だもん

テントに戻ってきた影山君に声をかける

「影山君お疲れ様!1位おめでとう!!」
「ああ」

私の言葉に満足そうに頷きペットボトルのお茶を飲む影山君

「まぁ、勉強が駄目だからこれくらいでしか活躍できないもんねぇ…王様は」

私の隣にいた蛍ちゃんが影山君に向かって言うと影山君は飲んでいたペットボトルを口から離し蛍ちゃんの方を見た

「あぁ?!なんだって、もういっぺん言ってみろ月島!」
「え、もう1回聞きたいわけ?」
「け、蛍ちゃん!」

さっきみたいにお互いを睨み合って牽制し合う2人の気を何とかそらそうと声をかける

「あ、えっとほら、そろそろ忠君の障害物リレー始まるから応援しようよ!ね?」
「「………」」

お互いもう一度睨み合い影山君は私の右隣(1人分開けて)座った

左隣にいる蛍ちゃんは何故か不機嫌だった