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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -
5

私の部屋に着いて蛍ちゃんは私をそっとベッドの上へ座らせた


自分の部屋に蛍ちゃんがいるなんて見慣れている筈なのになんだか落ち着かなくてドキドキする

ベッドに座ってる私を下から見上げるようにする蛍ちゃん
床に膝を付いているのとベッドに座ってる私と目線があんまり変わらないのはやっぱり身長差があるからなんだよなぁ、なんて全く関係ない事を考えていた


「……愛乃」

「っ、な、なぁに?」

「今更だけど、本気にいいの?」


いつもと変わらない表情で私を見る蛍ちゃん
でもその表情からは私を気遣う様子が見られて…

きっとそれがわかるのは私が蛍ちゃんの彼女だからなのかな、なんて

ちょっとした優越感に浸っていた


「私、蛍ちゃんになら平気だよ」

「……」

「確かに緊張してるし、不安もあるけど…でもね、私はあの時から覚悟は出来てるの」

「…愛乃」

「それに、私あの日からちょっと期待してたり…して…こんな彼女は嫌いですか?」


蛍ちゃんの顔を見ていられなくていつの間にか握り締めていた両手を見つめる

………蛍ちゃんさっきから何も言わないし、引いちゃったかな
どうしよう…。

蛍ちゃんの顔を見るのが怖い


「…愛乃さ」

「っ、!」


蛍ちゃんに名前を呼ばれてビクリと肩を揺らす
思わず萎縮してしまった私の両手を包む様に握り締めた蛍ちゃんの大きな手

その手は暖かくて凄く安心した


「無自覚で人を煽るの止めてくれない?」

「…へ?」

「人が折角優しくしようとしてるのにそう言う事言ってさ

どうなっても知らないよ」


蛍ちゃんの顔を見るとその頬は珍しく少し赤く染まったいた

その顔が可愛くて少し笑ってしまった


「何笑ってるワケ?」

「ふふ、だって……っきゃ?!」


いきなり押し倒されてさっきまで私が蛍ちゃんを見下ろしていたのにいつの間にか蛍ちゃんが私を見下ろしていた


「愛乃、悪いけど優しく出来ないかもね…」

「え?!」


お手柔らかに、と言おうとしたけど唇を塞がれてそれは叶わなかった


「っん、…ん、ふ…ぁ…んんっ」

「…ん、ちゅ……っふ、」




私と蛍ちゃんはお互いの吐息を絡ませ合いながらいつの間にか暗くなっていた部屋と夜の闇へと溶けていった