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数分しか経っていない筈なのに私には酷く長い時間に感じた
私はソファーの上に乗せていた蛍ちゃんの右手にそっと触れてみた
ちらりと顔を上げると蛍ちゃんと目が合った
「…っ、」
恥ずかしくて思わず下を向いてしまう
テレビを見てるかと思ってたのに、こっちを見てたなんて…
そんなことを考えていると視界が影で暗くなり頭を上げるといきなり唇を塞がれた
「?!、っん……、んんっ…ふ、ぁ…」
唇が離れるとたらりと銀の糸がお互いに引いた
蛍ちゃんが私の唇についたそれを長い指で拭い私の頬を撫でた
その仕草が何だかとても妖艶で視線を逸らしてしまった
「、けいちゃ」
「準備はもう言いワケ?」
その言葉を聞いて顔が熱くなる
私は無言でコクリと頷いた。
すると突然体がふわりと浮いて思わず奇声を上げてしまった
何事かと思ったけどどうやら蛍ちゃんが私を抱き上げているみたいだった
所謂お姫様だっこというもので結構…いや、だいぶ恥ずかしい
「あの、蛍ちゃん…自分で歩けるよ」
「愛乃が自分で歩くよりこっちの方が速い」
足の長さが違うからね、と意地悪な笑みを浮かべて言った
「!!〜っもー!」
意地悪を言う蛍ちゃんの胸に顔を埋める
「…無自覚ってホント、タチが悪い」
「?…何か言った?」
「………別に何も」
蛍ちゃんはそれだけいうとトントンと階段を登って私の部屋へ向かった
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