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「あ、うん…。そうだね、入ってくるよ。蛍ちゃんはリビングなり私の部屋なりでくつろいでてね」
「うん」
部屋に着替えを取りに階段を登りながら私の頭の中はフル稼働中だ
なんで今の今まで忘れて他の私の馬鹿!
料理の事ですっかり抜け落ちてた
急いでバスルームへ向かい念入りに身体を洗って浴槽に肩まで浸かる
私の心臓はこれでもかっていうくらいバクバクしていて軽いパニック状態だ
ブクブクと湯船につかりながら心を落ち着かせる
そこでふと気がついた
……私っていつもお風呂で悩んでない?
悩んでても仕方無いよね!
こういう時は女は度胸だって由紀ちゃんが言ってたもん!
うん、そうだよ!
私が勝手に勘違いしてるだけかもしれないし!
いや…それはそれでかなり恥ずかしんだけどね
自惚れ女みたいで
………でも、やっぱり手入れはちゃんとしておこう
するに越した事はないもんね
* * *
お風呂から上がってリビングへ向かうと蛍ちゃんは変わらずソファーの上でテレビを見ていた
私はそっと近づき蛍ちゃんの右隣へ腰を下ろした
「………。」
「…………。」
何か喋らなきゃと思うのに何を話せばいいのか分からない
上手い言葉が見つからない
二人の間に会話は無くテレビの音だけが私達の間を繋いでいた
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