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- ナノ -
3

委員会が終わるともう既に辺りは薄暗くなっていた。


帰らなきゃ…

帰ったら蛍ちゃんのお家に言ってちゃんと話さないと

校庭を一人で歩きながら何から話そうかと考えていた時、肩を掴まれた

いつの間にか校門まで着いていたんだ
でも、問題はそこじゃなくて……

私の肩を掴んでいたのは今の今まで考えていた蛍ちゃんだった

それまでずっと考えていたことがどこかに飛んでいってしまって頭が真っ白になった


「け、けけ、蛍、ちゃん!?な、ど…え?!」


なんで、どうして

そう聞きたいのにパニックになって言葉が上手く繋げない

口をパクパクさせながら蛍ちゃんの顔を見上げる


「…やっとこっち向いた」

「え…?」


ポツリと呟いた蛍ちゃんの言葉に目を瞬かせる


「最近、全然愛乃こっち見なかったし」

「あ、」


言われて気がついた
私、最近蛍ちゃんの顔を見てなかった

自分がしたことの愚かさを痛感した

わたし、ばかだなぁ…ほんと


「…蛍ちゃん、」

「……何」

「ごめんね、ごめんなさい」


蛍ちゃんの右手をギュッと両手で握り額に当てる
ジワジワと潤んでくる視界に誤魔化すように目を瞑る


俯いていた頭の上に不意に暖かい感触がした
頭を上げて見ると蛍ちゃんが左手で私の頭を撫でていた


「…蛍ちゃん?」

「愛乃はほんと馬鹿だよね」

「…うん」

「ばーか」

「っ、うん…」

「すぐ泣くし」

「…ぅん」

「勝手に僕の事避けるし」

「……ん、ごめっ」

「なんか勘違いばっかしてるし」

「…っ」

「……愛乃、帰るよ」

「…うん」