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「お待たせー」
私がお茶とお菓子を持って自分の部屋に向かうと由紀ちゃんはベッドの近くに座って携帯をいじっていた
私はそのまま部屋にあるテーブルまでトレイを運ぶ
「お、ありがとー!」
由紀ちゃんは携帯から顔を上げてこっちを向いた
「今日は由紀ちゃんが久しぶりにうちに遊びにきたからお母さんと一緒にクッキー焼いたんだぁ」
私がそう言うと由紀ちゃんは嬉しそうにテーブルの方にやってきた
「やったー!私愛乃んちのお菓子好きなんだよねー」
「えへへ…ありがとう」
紅茶をカップに注いで私と由紀ちゃんの前に置く
由紀ちゃんは紅茶に砂糖をひとかけら入れてティースプーンでくるくるとかき混ぜた
「由紀ちゃん最近忙しそうだったからこうやって遊べるのすごく嬉しい」
「あっはっは、嬉しいこと言ってくれるねー」
私が素直にそう言うと満更でもない表情で私の頭を撫でてくれた
由紀ちゃんに頭を撫でられるのは久しぶりで、ちょっと荒っぽい撫で方をするけど私はこの撫で方が昔から嫌いじゃなかった
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