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「……愛乃」









「ちょ、……ちょっと、まって、ね…」









僕を探してくれていたのか、愛乃
は乱れた息を整えるために大きく深呼吸を何回かしていた









その様子をぼーっと見ていると、繋がれていた手は離され愛美さんはそのまま体育館の方へ行ってしまった








「蛍ちゃん、ごめんね…私、何か蛍ちゃんの気に障ることしちゃったんだよね??」










申し訳なさそうにこっちを見上げる愛乃









それを見て胸がチクリと痛んだ









悪いのは僕に方なのに……











「…………愛乃は悪くない、悪いのは僕の方だ




………ごめん、手叩いて」














「え!?いや、全然気にしなくていいよ!!ちょっとびっくりしちゃったけど私、また何かしちゃったんだろうなって思ってたし!」









両手を顔の前でブンブンと振る愛乃









僕が叩いたては薄らと赤くなっていた











その手を見て、僕は思っていた以上に強い力で叩いてしまったんだと気づいた










チクリとまた 胸が痛んだ











「愛乃、手赤くなってる」








愛乃の手を掴んでそう言うと愛乃は慌てたように今度は顔を振った








「み、見た目だけで全然痛くないから大丈夫!!」









僕は愛乃の手を取ったまま歩き出した









……さっきの僕と愛美さんみたいだ