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「…ふ、ガタガタ」
机の上にケーキを置いてラッピングを解いた蛍ちゃんの第一声がそれだった
「だから言ったでしょ!見た目はあまり良くないって…」
ムッとしながら言うと蛍ちゃんはニヤニヤと笑った
「愛乃って意外と不器用だよね」
「み、見栄えは良くないけど味は確かだから!」
「ふぅん」
私がそう言うと蛍ちゃんはさして興味がないようにケーキを見た
「…ねぇ」
「?…なぁに?」
「今日は僕の誕生日だから1つだけお願い聞いてよ」
「うん、いいよ?」
蛍ちゃんからのお願いなんて珍しいため何だろうと思いながら首を括る
「このケーキ愛乃が食べさせてよ」
「っうぇ!?」
予想外の展開に2人しかいない部屋なのにキョロキョロと回りを見てしまった
「っ、でも…蛍ちゃんまだ夜ご飯食べてないでしょ」
「ケーキは早めに食べないといけないし、今日は軽目の夕飯だって言ってたから平気」
ほら、と言って私にフォークを差し出した
断れるわけもなく私はそのフォークを受け取った
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