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「ほんとはあるんだけどね」
今日は用事があるとかでさっさと帰ったためいつも僕の隣にいる山口はいない
一人で歩く帰り道部室であったさっきまでのやり取りを思い出し僕は一人呟いた
最初に菅原さんが言っていたお化け屋敷は結構惜しかった
愛乃はお化け屋敷は苦手じゃないけど何故かホラー映画は苦手………というかあれは苦手とかいうレベルじゃないかな
なにが違うのか僕にはさっぱりわからないけどホラー映画だけはどうもダメらしい
なんでもお化け屋敷は人がいるからそこまで怖くないけどホラー映画は本物が出てきそうとかよくわかんない理由を言ってたけど
まあ、愛乃の苦手なものなんて他の奴らには絶対教えてやらないけど
今度の休日に愛乃と一緒に映画鑑賞でもしようかと考え知らず知らずのうちに緩んでいた口元を手で押さえ家へと続く道のりを歩いて行った
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