LUNCH*TIME*BOOGIE




昼休み。
授業などあってなきが如き石矢魔特別クラスでは、チャイムと共に既に昼食が始まっていた。

教室にケータリングで食事を運ばせて、勝手に窓際を数席陣取って、広げる姫川と神崎の姿にも、クラスメイトは慣れた様子で、おとなしく別の席へと移動する。
夏目と城山が神崎に呼ばれて座り、姫川が飽きずに文句を言うのもいつものことだ。
「いつも悪いねー、姫ちゃん」
「テメェらの分じゃねぇっつの!!
これは神崎のために…」
「こんなに食えるかよ」
目の前に広げられる食事は、毎回夏目と城山がいてやっと食べきれる量だ。
「こいつらが俺の分食うから増やしたんだろうがっ!!」

騒がしいそのすぐ側には、珍しく学校に来ていた東条が相沢、陣野と手作りらしき弁当を広げていた。

「ったく、弁当くらい作れるでしょうに。
厨房バイトもしてるんだから」
どうやら相沢の手作りらしいが、それなりに立派な見栄えをしている。
人は見かけによらない。
「人に作って貰うからいいんだ」
「…庄次の料理、うまいし」
「俺も、庄次の飯が一番好きだぞ」
「…あぁもう///
はいはい、さっさと片付けてくださいよ」



「…………なぁ、神崎」

それをじっと羨ましそうに見つめて、姫川は視線はそちらに向けたまま、神崎を呼ぶ。
「作れるわけねーだろ」
まだ何も言っていないうちに、先手をうたれてしまった。
「……ですよね」



「ダブー!!」
普通であれば、高校の教室からきこえるはずのない、ここでは日常になった赤ん坊の声が響き渡る。
音が高い分、よく通る。
自然、教室の視線がその中心、男鹿と古市に向けられた。
「だあぁ!ベル坊っ!!
お前さっきミルク飲んだだろっ。
これは俺のだ!!」
「だーうー」
「古市!!
卵焼きくれ! あー――」
「はいよ」
赤ん坊を牽制して押し退けながら、口を大きく開けて雛鳥宜しく催促する。
古市は箸で器用にそこに卵焼きを放り込んだ。


「ぅわー。相変わらずラブラブだねぇ」
「少しは場所を弁えたらどうなんだ…」
「自覚がないんだと思うよ」
半ば呆れ顔の夏目と城山の向かいでは、姫川がやけに真剣な顔で神崎に向き直っていた。

「神崎…「やんねぇぞ」
「早ぇよ!!
ちっとは考えてやるとかいう気持ちはないのか!?」
「ねぇよ」

嘆く姫川を全く相手にせず、ヨーグルッチ片手にサンドイッチを頬張る。
「つかお前、食わないとなくなるぞ」
と言いつつ、最後の一切れを口に入れた神崎に、姫川が不意に近付く。
急に間近に迫った顔に驚く前に、サンドイッチごと唇にかぶりつかれた。

「―――っ!?!!??」

神崎の顔を押さえつけたままサンドイッチを咀嚼し、舌先で唇をなぞるようにして姫川が離れる。

「ごちそうさま」

満足気に自身の唇の端を舌で舐めとり、さっさと席をたった。
次の瞬間、固まっていた神崎が怒声と共に立ち上がり、既に教室の扉を潜ろうとしている姫川の後を追う。
その顔は首まで真っ赤だ。

「まじテメェ、死ね!
つーか殺す!!まじ殺すっ!!」



「あはは。平和だねぇ」
残された夏目は何事もなかったように、空になった容器を片付けていく。











どっかよそでやってくんないかな…


誰ともなく小さく呟く声が、教室に虚しく響いた。








リクエスト:姫神/男古
周りに人がいるのに教室でイチャイチャするバカップル


>琉伊さま
お待たせしましたm(_ _)m
…な上にこんな仕上がりにorz
勝手に東条組投入失礼しました!!特にCPは入れてませんが、東庄っぽいのは完全にakitsuの趣味です←←
姫神、イチャついてるか微妙ですが…きっと周りから見たら、はいはいごちそうさま。な雰囲気なんだろうな〜。と妄想w
こんなで宜しければ貰ってやってくださいませ。




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