「神崎」
「んー?」









「俺のこと好き?」













惚れた腫れた







「っはぁ?
てめ、なんだいきなり!!」

屋上で二人。
なにをするでもなく、風に当たって…要はさぼっていた。

ペコペコ膨らませていたお気に入りの乳酸菌飲料が潰れる。
噛み潰されたストローから僅かな雫が飛び出した。
持ち主は反して赤く膨張していく。

「いや、そういや言われたことねぇなと思って」

あ、可愛い。
真っ赤に膨れた恋人を頬杖ついたまま見つめて。
なんて平和で幸せな一時だろう。

「言えよ」
姫川としては、優しく微笑んだつもりだったのだが。
神崎にはそうは伝わらなかったようだ。

「ニヤニヤしてんじゃねぇ!!
てめぇなんか大っ嫌いに決まってんだろ!!!」

「あっそ」

そんな言い方しちゃうわけ。
まぁ、素直に答えてくれるなんて勿論思ってないけど。
わざとらしくため息を吐いて、徐ろに立ち上がる。
ズボンについたチリだか砂だかを払いのけ、そっぽを向いた神崎に背を向ける。
神崎が動く気配がした。


「…姫川??」

自分でないと気付かないだろう些細な変化。
不安そうな声音が名前を呼ぶ。
それだけで弛む口元を律し、無表情を取り繕って首だけ振り返る。
「なんだよ。
俺なんか大っ嫌いなんだろーが。」
「……!?」

卑怯な言葉は、俺の十八番だ。
悔しいのか恥ずかしいのか。
眉根をぎゅっと寄せて、いつもより更に険しい顔になっている。
これが可愛く見えるんだから、恋ってやつは怖い。

でもまぁ、言葉がなくても"行かないで"ってこれだけ態度が言ってれば、それだけで愛しいもんだろう。

「…――す」
「ん?」



「……っ、ぁあ!!好きだよっ!!
これで満足かっ?!」



「……は、はは」

反則だろ…。
真っ赤になって叫ぶ神崎に
きっと自分の方が耳まで紅いにちがいない。

「わ、わかったら
大人しく、そこにいやがれ…」



そう言って神崎が、こちらを見上げようとするから。

顔を見られたくなくて、強引にやつの顔を引き寄せた。









「お前、可愛すぎ……」











神崎くんのデレは、破壊力がハンパないと思う。
そして予想外のとこでデレて不意討ちくらう姫ちゃんとか滾るwww
そんな姫神をいつか書きたいです←←




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