三者面談





ポリシーの髪をおろした。
それだけでは締まらないので、オールバックに撫で付け、長い襟足は一つにまとめる。

いつものアロハシャツではなく、今日はスリーピースのスーツをかっちりと着こなしていた。
ネクタイの長さを調節し、派手すぎないよう配慮したピンとカフスを確認。

新品のオーダーメイドの革靴を履いて、家の扉を開いた。






「………」

目の前に、瞳を最大限にまで見開いた神崎の顔。
あまりに格好よくて見惚れたか。と笑ってやれば、まだ慣れねぇんだよ。と視線を外された。
その横顔が真っ赤なので、きっとこの格好で問題ないのだろう。
行くぞ。と背中に腕を廻せば、いつも通り払い除けられ、先に立って歩き出す。
変わらない後ろ姿に口元が綻んだ。









「お前さぁ…まじなわけ?」

車に乗るなり、げんなりした顔で見てくるから、何を今さら。と鼻で笑ってやった。
約束の時間まではまだ時間がある。
目的の場所に行くべく、エンジンをかけると、隣に座る神崎も口を閉ざした。



わざと遠回りなルートを選んで、高台まで車を走らせる。
広いパーキングには、他に2台しか車は止まっていなかった。

喉が渇いたと車を降り、そっとトランクから荷物を取り出して、助手席へとまわる。
窓を軽く叩くと、面倒くさそうにゆるりと窓が下げられた。

窓が開ききるのを確認して、背中に隠し持った花束を押し付ける。
満開に咲き誇った花は、下手な香水よりも濃厚な香りがした。

「…は!?」

むせかえるような香りに、眉をしかめてこちらを見上げる神崎を、扉を開いて抱き締める。
律儀にシートベルトをしめた神崎は身動きとれず、大人しく腕の中に収まった。

「なんなんだ、姫川っ」

そのまま手を取り、柔らかくもないその甲に唇を押し付ける。
神崎の体が大きく揺れた。



「will you marry me?」



上目で見上げて問えば、ばっかじゃねぇの。といつもの悪態が口を吐く。

「いや、先に本人に言っとかなきゃと思って」

おどけて言えば、折角整えた髪を捕まれ、乱された。

「…っ今更だろ///」


ほんと、俺の恋人は可愛くて困る。
なんて口に出したら、次はスーツに皺を作られかねないので、心の中に留めておく。

恥ずかしがり屋の彼の指に嵌められることのない指輪が、首からぶら下がるペンダントトップになっているのを確認して、もう一度、手の甲に口づける。





「それじゃ、本番といきますか」



向かうは愛しい恋人の家。
























"息子さんを僕にください。"









僕たち、結婚します!!←←
姫ちゃんは、本気でご挨拶にいく人だと思います。
跡継ぎはいなくなるけど、誰より身分がしっかりしてて、超絶玉の輿なので、許してあげてください、お父さん←
意味不明ですみません。
なんかこの二人はハッピーエンドな気がしたんです。



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