帰り支度




放課後の教室。

別段することがあったわけじゃない。

ただなんとなく


「神崎くん、帰らないの?」
「帰りましょう、神崎さん」

いつものように俺の席に寄ってくる二人を一瞥。

「誰かを待ってるの?」

問う夏目の声が少し弾んでいた。

「別に…」

「そう?
じゃあ、帰ろっか。城ちゃん」

「いや、俺は神崎さんを…」

渋る城山を半ば強引に連れ、夏目は俺に手を振った。

「じゃあ、また明日。神崎くん」

「ん」






教室からは誰もいなくなり
このクラスの生徒以外寄り付かない校舎はシンと静まり返る。

別段することがあったわけじゃない。




「ヨーグルッチ…」

飲みてぇな。

この校舎にある自販機には入っていなかった。

仕方なく、教室を後にする。

帰りのスーパーで買おう。

「…!?」

突然、ポケットで携帯が震えた。

「………」

「今、どこにいる?」

「…下駄箱」

「待ってろ。すぐ行く」

そう言って切れた。

知るかよ。

携帯を閉まって、歩き出す。













もうじき無駄なリーゼントを揺らして、走ってくるだろう。





背後に乱れた呼吸音。









別段することがあったわけじゃない。

ただなんとなく

帰る気が起きなかっただけ





だからそんな


「…気持ち悪ぃ顔すんな
うざい、きめぇ」















I'm coming!!

「待たせてごめんな」



sssくらいでしょうか。
なんかツンデレが書きたかったんですが…撃沈




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