冬休みに入って、出会う機会が減った。

当然といえば当然のことで。

自分から動かなければきっと何も変わりはしない。

携帯を開いて電話帳の一番上を選択。



"今日、なにしてんの?"







寒がりな彼はダウンにマフラーを巻いて徐ろに出てきた。

「久しぶり」

そう声をかけると、まだ一週間もたってねぇよ。と笑われた。

なんだか恥ずかしくて、誤魔化すようにその手を握る。

「ほら、行くぞ」

なんて、動揺を悟られないようまっすぐ前を向く。

振り払われるかと思った手はそのままで。

まだ温かい指先に力が込められた。

久しぶりで浮かれているのは、自分だけじゃないらしい。





速足で進んで、家が見えなくなったところで速度を落とす。

早く歩こうがゆっくり進もうが、一日は24時間に変わりはないのだけれど。

なんだかせかせかするのも勿体ない気がしたのだ。

幸いにも気温は低いが空は晴れていて、太陽の光を全身に浴びながらゆっくりと進む。

久々で緊張しているのか、かける言葉が見つからなかった。

彼も同じなのか、ただ寒いから口を開きたくないだけなのかはわからないが、

何かを言ってくることもない。

繋いだ手だけがやけに熱くて、目を合わせることもできなくて。

ただ只管に歩いていると、気づけばいつもの公園の近くまできていた。


「ちょっと、寄ってこうぜ」


そうして、二人してブランコに腰掛ける。

最近の子供はインドアな遊びが主流になっているようで、

冬休みだというのに、ほとんど子供の姿はない。

こんな寒空の下外で遊べば、風邪をひいてしまうと、過保護な親に止められているのかもしれない。

なんにせよ、人が少ないのはありがたいことだ。

繋いだ手を放したからか、慣れた公園に来たからか。

だんだんと緊張も解れてきた。

「先週、何してた?」

「ぁー…夏目と城山がうち来たり?」

「ふーん」

自分で聞いたくせに、自分が会えずにいる間に他のやつと遊んでいたと思うと悔しい。

会えなかった時間を埋めるように、ゆっくりとブランコを揺らしながら、この一週間にあったことを話倒した。

どうでもいいとりとめのない話でも、笑ってくれることが嬉しくて、バカみたいに口が動く。





気が付けば公園に立つ時計は4時を示していて。

すでに太陽が傾き始めていた。

夕焼けにブランコが照らされて、子供みたいに小さく映る二人の影を目で追う。

子供の頃そうしていたように、勢いを利用してブランコから飛び降りた。

今はしっかりと着地することができる。

「なぁ、神崎」
「んー?」

まだ座ったままの彼が動きだけ止めてこちらをふり仰ぐ。

この数時間で出会った時の緊張や不安は拭い去られていて、自然笑顔が零れた。


「また明日も会おうぜ」


一瞬彼は瞬いて、しょうがねぇなぁと笑う。

夕日を背に年上ぶって笑う顔が愛しくて。



「約束、な」

彼のブランコに寄り掛かるように近づいて

ついでに額に、キスをしてみた。











あ。夕日より真っ赤






書きかけのまま、かなり長くほったらかしにしていたネタを引っ張り出してきた←←
んー…なんか同じようなのばっかだなー
妄想力はあるのに…誰か文才とヒラメキをください





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