02





篝火の焔が揺れる。


薄暗い洞窟を仄かな灯が照らす。


スッと少女は閉じていた瞼を開く。


「さーくらっ♪」


洞窟の入り口の方から長い髪を頭の高い位置でひとくくりにした青年が駆けてくる。


「―――光(コウ)」


「ねぇ、桜。よねが帰って来てるみたいだよ?」


「何っ!?」


光陰は薄く微笑む。


「会いに行こうよ。またあいつに怒られる前に・・・。桜だってよねの泣き顔見たくないんでしょ?」


「しかし・・・もう覚えてなど・・・」


少女の顔が影を帯びる。


すると、青年はそっと少女を抱き寄せた。


「―――・・・大丈夫。俺達で守ろう。よねを、この地を・・・」












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