02

えー、と抗議する二人を完全に無視してよねは無理やり引き離す。


「―――お二人とも、本日のご予定をお忘れじゃありませんか?」


よねが軽く咳払いをしてそう言えば、二人は「あ」という顔をして固まった。


「・・・まったく」


「よねも来ればいいのに」


口を尖らせて言う舞姫によねは少し困った様に笑う。


「申し訳ございません。本日は少し所用がありまして・・・」


「所用って・・・。どうしても今日じゃないと駄目なのか?」


龍作も舞姫のまねをして少々眉を下げ気味でよねに抗議する。


「・・・龍作様、お止めください。・・・はい。どうしても無理なんです。ですから、私の分も楽しんで来てください!姫様」


「・・・・・・しょうがないわね。じゃあ、お土産楽しみにしててね!」


「―――はい。いってらっしゃいませ」


よねは薄く微笑むと、部屋を出て行く二人を見送った。


「・・・・・・ふぅ」


人が誰もいないのを確認すると、よねは肩の力を軽く抜いた。


だが、大変なのはこれからだ。


そう自分に言い聞かせ部屋を出て行こうとしたその時、突然背後から声をかけられた。


「―――何が所用なんだ?」


ぴくりと肩を震わせてから恐る恐る振り返ると、そこにはいるはずのないものがいた。


「・・・・・・っ!?」


驚きのあまりよねはその場に尻餅をついてしまった。


「―――・・・青風・・・殿・・・。帰っていらしたのですか・・・?」


信じられないという目をしながらよねは青風を見つめる。


青風の長い漆黒の髪が風に揺れる。


「―――何が所用なのかは知らないが、舞姫は今狙われている。それに、都だけじゃない。この周辺に異変がある」


そう言うと青風は目を細めた。


一瞬強い光が見えたような気がよねにはした。


「―――忠告はした」


肩越しに振り返り、そう言うと、音も無く青風は立ち去った。


どうやら舞姫達を追ったらしい。








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