02
鬱蒼と木々の生い茂る山の中を、少女は掻き分けながら走り抜ける。
程なくして、一際大きな社が建っている少し開けた場所に出た。
少女は何の躊躇いも無くその社の中へと入って行く。
篝火の焔が揺らめく。
その部屋の中央に、一人の女性が焔を前に単座している。
「―――巫女」
先程の少女が、一段低い位置に片膝をついて頭を垂れる。
「だだいま戻りました」
「―――茨草。お帰りなさい。今回の任務はあなたには辛いものですね・・・」
「いえ。お気遣いありがとうございます」
巫女と呼ばれた女性はゆっくりと茨草の前までやってくる。
「―――・・・どうでしたか?」
「―――は。・・・彼らは見事大妖王を追い払った様ですが、所詮あれはまやかし。時間の問題かと・・・」
「そうですね・・・。所詮あれは幻。彼のものはまだ完全に復活したわけではありませんものね」
一度目を閉じてから彼女はゆっくりと瞼を開く。
「―――彼らをここへ」
「―――はい」
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