01
「―――舞っ・・・!!」
龍作の声が社内に響いた。
「・・・龍・・・作?・・・こ・・・こは?」
まだ意識が朦朧としている舞姫を支えてやる。
「何処かの社らしい。とにかく・・・」
「―――陸奥の地だ」
不意に、背後から低い声が発せられた。
普段聞き慣れた声よりも遥かに低い。
「せ・・・」
龍作が名を呼ぶよりも早く、青風は苛立たしげに前髪をかきあげてから立ち上がった。
傷はもう塞がった様だが、白い衣には赤い染みが残っている。
「―――久しぶりだな。生きてたんだな、あんた」
「お久しぶりですね。二百年、ですか・・・」
「―――なんで生きてる?確かにあの時・・・」
「死んだはず、ですか?・・・確かに私はあの時一度死にました。だましていた訳ではないのですが・・・」
「・・・不老不死、か。俺は、あんたを殺した事には変わりない」
スッと目を細める。
この巫女には恩がある。
昔、自分がまだ妖になったばかりの頃。
とにかくその地から離れたくて、ただひたすら歩いた。
そうしてたどり着いたのがこの巫女の元だ。
だが、彼女は自分を庇った事によって村人達に殺されたのだ。
そう。
殺されたはずだった。
[ 38/47 ][*戻る] [次へ#]
[目次]
[しおりを挟む]
感想を送る


(c) 2011 Kiri
下記は宣伝です。