05






「つっー・・・、ったた。一体何だ?」


打った頭を押さえながら龍作はのろのろと立ち上がる。


「いてっ!?」


何も無いはずの空間に足を踏み出そうとしたら何かにぶつかった。


辺り一面の暗闇。


はっきり言って何も無い。


それなのに右に行ったら壁にぶつかった。


試しに左にも行ってみたがまたもや阻まれた。


「一体どうなっている?」


この空間がさっきの奴等の仕業でない事は分かっている。


この場に満ちている気は邪悪なものではないからだ。


むしろ神聖なものに近い。


龍作はスッと目を閉じて思案する。


右にも左にも進めない。


自分は目の前からでんぐり返しをするかの如くここへなだれ込んで来た。


ならば―――。


「後に進むか」


くるりと向き直ってそう呟く。


それに、こちらから緩い風が吹いて来る。


「行くか・・・」


一歩、また一歩と足を進めて行く。


どうやらこちらは進める様だ。




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