03
自分の時は、あの日、止まったまま。
それでも、彼女を死に追いやったのは自分だ。
霞は、俺が殺したも同然。
「黒影の魂だってまだ解放できてない」
黒影とは、青風の友の名だ。
「それでも・・・今は無理でも、いつか、きっときつか行ける日が来るさ」
「そう、ですね・・・。何か、あの女の言葉が頭から離れなくて・・・。どうも昔の事を思い出してしまうんですよね・・・」
もう二百年も前の事だ。
それでも、自分にとっては忘れられないほど大切な日々であり、同時に辛い過去でもある。
俺が全てを忘れる事はない。
思いや、怨み、憎しみ、そういったものが強すぎて自分は死した後、妖として再び蘇った。
故に、死ぬことすらない。
永遠に終わりの無い迷路に迷い込んだ様だと青風は思った。
そしてまた杯を煽る。
* * *
―――黄昏時に浮かぶのは、懐かしいあの後ろ姿。[ 30/47 ] [*戻る] [次へ#]
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