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* * *





パチパチと篝火が燃えている。


その様子を木々に隠れて外から伺っている者達がいた。


『・・・もう我慢できねぇ』


『ああ、生け贄だかなんだか知らねぇが・・・』


『黙ってる訳にはいかねぇな』


「―――お前達っ!!そこで何をしているっ!!」


ガサッという音と共に短髪の少女が姿を現した。


その表情は険しく、明らかに警戒していた。


「ここが巫女の聖域と知っての事かっ!!」


男達は何も言わない。


それが逆に彼女の怒りに更なる火を付けた。


「貴様ら・・・」


「―――お止めなさい、茨草」


不意に、背後から凛とした声が響いた。


「―――巫女っ!!姿を曝しては・・・」


スッと手で茨草を制する。

「もう、良いのです。この者達にも・・・知る権利はある」


「あんた・・・その姿・・・」


数年前にたった一度だけこの巫女の姿を見たものもいる。


それと、この村には古くからの絵巻があり、その中の一枚とよく酷似していた。


「歳を取らねぇのか・・・?」


「なっ・・・」


「それは不老不死って事か・・・!?」


村人達の目には、恐怖と同時に不老不死という言葉に興味が映っていた。


「この身は、私であって私ではない。この身は、神に捧げたのです」


「・・・国守りの巫女」


誰かがそう呟いた。


それを巫女は見逃さなかった。


「早く、村へ戻られませ。取り返しの、つかなくなる前に・・・」


そう言い残すと巫女は再び社の中へと姿を消した。










篝火が、頬を照らす。


巫女は、そっと自身の胸元へ手をやった。


今でも鮮明に覚えている。


あの日、確かにこの身を刃が、矢が、貫いたのだ。


今、自分は生きている。


それでも、私は、確かに二度死んだのだ・・・――――――。






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(c) 2011 Kiri



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